銃口をふりまわせ

ただ駄文を綴るエンターテイメント。

クモと風呂で鉢合わせた話

いつだって、敵は突然現れる。

 

私はいつものように自宅の風呂で頭を洗っていた。

頭に付いた泡をシャワーで流し、目を開けると……

それはすでに目の前の壁に存在していた。

 

蜘蛛だ。イエグモだ。

突如、穏やかだった風呂場に緊迫した空気が流れる。

不運にも、私は虫が嫌いだった。

厳密には蜘蛛は虫ではないが細けえこたぁいいんだよ。

 

いや、見知らぬ自分以外の命全裸密室に閉じ込められば緊迫した雰囲気になるのは当然じゃないか?

完全に眼が合っている。蜘蛛の目がどこにあるのかわからないが。

互いの共通した感情は、恐怖

 

 私はまず、舐められないように、顔に不敵な笑みを張り付けた。

ふふふ。君なんか怖くもなんともないんだぞ。

 

すると蜘蛛は何を思ったか、パフォーマンスを披露し始めた!

壁から鏡へ!棚へ!また壁へ!壁に掛けてあるタオルへ!

ぴょんぴょん!ぴょんぴょん!ぴょんぴょん!

 

なるほどダンスバトルか!?

私も負けじと飛ぶ!!

洗い場から浴槽へ!洗い場へ!浴槽へ!洗い場へ!浴槽へ!

ぴょんぴょん!ぴょんぴょん!ぴょんぴょん!

 

風呂場は突如としてクラブハウスに姿を変え!

二人のダンスバトルはさらにヒートアップ

グルーヴは最高潮!

オーディエンス熱気は風呂場の天井を突き抜け!

自宅上空にを作った!

 

蜘蛛と!戦った末に!雲を!作った!

 

以上です。